対面通行の高速道路に事故対策としてワイヤロープ式防護柵試験設置へ

国土交通省は高速道路(自動車専用道路を含む)の正面衝突事故の緊急対策として、中央分離帯が無い対面通行区間にワイヤロープ式防護柵を試験的に設置することを決めたそうです。

ワイヤーロープ式防護柵

出典:(独)土木研究所 寒地土木研究所

現在は樹脂製ポールが設置されていますが、これは「暫定2車線だと中央分離帯の設置義務がない」「中央に設置スペースを広くとれない道路がある」「費用がかかる」「いざという時に対向車線を利用することがある」という事情からですが、今回は諸問題をクリアしての試験設置。

ポールの支柱は10センチ以下、5本のワイヤロープを使った防護柵で、車が防護柵に衝突するとたわみで力を吸収する仕組み。従来から研究が進められていたようですが、衝突時のたわみ部分の対向車線へのはみ出しが1m50cm近くになってしまい、対向車線への危険が避けられない状況であったが、改善を重ね5本のワイヤロープを縦に結ぶ連結材を使って衝突時のはみ出しを1m以下に抑えたそうです。

平成24年から道央道・磐越道で拡幅により中央帯1.5mを確保してワイヤロープが試行設置されていますが、来春からは合計約100㎞の区間で既存の幅員の状態で設置検証を行うことが決定しました。

対面通行の高速道路ってホント怖いですよね。制限速度70㎞~80㎞の所が多いですが、実際にはそれ以上で流れていて、大型トラックがいるとすぐに数珠つなぎになるくらいですからね。体感的には80㎞以上で走ってる車が多いような気がします。

それが対向車線も同じくらいで流れているわけですし、はみ出して衝突したら即命にかかわりますよね。ただでさえ道路はカーブやらトンネルやらアップダウンがあるわけですし。

雪が降る地方は、さらに輪をかけて怖い思いをしましすよね。

なのでこのワイヤロープは早く普及して欲しいです。実際に衝突事故を減らせるというのは勿論ですが、今のフニャフニャな樹脂製ポールだと対向車がいるだけで緊張ですから、それが抑えられる心理的効果も大きいかなと思います。

相手が飛び出してくるかもしれない、というのもそうですが、自分が飛び出してしまうかもしれないというのもありますからね。

衝突時のはみ出しが1m程度とのことなので、これなら車線内のやや左寄りを走行していれば大惨事は避けられそうな気がします。

本当は高速道路は全部4車線で中央分離帯有が理想なんでしょうけど、現実的に交通量を考えるとなかなかそうはいきませんから、こういう現実に合った事故が減らせる施策は大賛成です。

・2車線道路の緩衝 2車線道路の緩衝分離構造 ワイヤーロープ式防護柵(独)土木研究所 寒地土木研究所の資料(PDF)

・高速道路の正面衝突事故防止対策について ~命を守る緊急対策。ポールからロープへ~国道交通相道路局高速道路課の資料(PDF)

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