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白石稲荷山古墳の桜 群馬県藤岡市にあり昼と夜の違った顔が楽しめる

晩秋の白石稲荷山古墳の桜

「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と梶井基次郎の本に書いてありますが、それを地で行く古墳の上に堂々と咲く桜。

桜好きはついつい桜が咲いているはずもない秋でも立ち寄ってしまいます。

秋の白石山古墳の桜と小川

古墳の上に咲いているので、こんもりした高台の頂上にある桜です。

晩秋ですっかり葉も落ちた白石稲荷山古墳の桜

桜の葉もすっかり落ちてしまい冬支度。これから訪れる冬を越すと再び満開の花びらをつけてくれる。

白石稲荷山古墳の桜の近くの畑で朽ち果てた三代目スバルサンバー

周囲を散策していると、畑にナチュラルに同化した一台の車。鉄柵越に「三代目スバルサンバー」の雄姿。

晩秋で荒涼とした白石稲荷山古墳の桜

花のない桜でも十分見ごたえあります。これが春に満開になると想像するだけでワクワクです。

満開の花を咲かせる白石稲荷山古墳の桜

ちなみに春の満開の姿がこちら。緑の草と桜の淡い色、それに足元に咲く紫色のオオアラセイトウ(大紫羅欄花 別名は、諸葛孔明にちなんだ諸葛菜)。

仲良く並んで咲く白石稲荷山古墳の桜
深夜に光をまとう白石稲荷山古墳の桜

日が沈んで真っ暗な闇に、、、包まれることもなく煌々とライトに照らされます。

別にライトアップをしているわけではなく、すぐ隣にある「ノースヒルズFujioka」というゴルフ練習場のライトに照らされているだけですが、それがまた良い感じです。

斜光を浴びて夜に映える白石稲荷山古墳の桜

それほど有名な桜ではないのか、満開の時季でもそれほど人が多くないのがいいです。見栄えや昼と夜の違った顔もそれぞれ絵になります。

白石稲荷山古墳の桜

項目
内容
名称
白石稲荷山古墳(しろいしいなりやまこふん)の桜
桜の種類ソメイヨシノ
樹齢不明(70~80年か?)
オススメ度(5段階)
★★★
一言
小高い古墳の上に咲く桜で、昼間の穏やかな感じも夜の雰囲気も良いです。(夜はゴルフ練習場の光でライトアップされたかのように見えます)
例年の見頃4月上旬
撮影日
2010年4月10日(春)
2017年11月23日(晩秋)
所在地
群馬県藤岡市白石1365
(ゴルフ練習場 ノースヒルFujioka横)
アクセス
上信越自動車道吉井IC 車で15分上信越自動車道藤岡IC 車で12分
駐車場/トイレ
駐車場無・トイレ無
その他
夜桜はゴルフ練習場が終わる23:00頃まで楽しめる
参考URL
 藤岡市観光地

春を待つ丘

晩秋の風が、白石稲荷山古墳の丘を撫でていた。
頂に立つ桜の木々は、葉をほとんど落とし、静かに空を仰いでいる。
老人はそっと手を伸ばし、幹に触れた。
ひび割れた樹肌の感触に、幼い日の記憶がよみがえる。

ひび割れた樹肌の感触に、幼い日の記憶がよみがえる。
駆け回り、転げ落ち、春になればこの桜の下で母に弁当を広げてもらった。
あの花びらの雨のような美しさは、今でも鮮やかに心に残っている。
医者から余命を告げられたのは、つい先日のことだった。
「せめて、もう一度だけ……」
桜の満開を、この目で見たい。
それが最後の願いだった。

冷たい風が吹き、桜は静かに冬を迎える準備をしていた。
けれど、老人にはわかる。
この木は、また必ず花を咲かせる。
そして、自分も。
この丘で、春の光を浴びたあの日のように、ただ桜を見上げていたいのだ。

遠くで、陽が落ちかけた。
老人は微笑み、そっと帽子をかぶり直した。
春まで、もう少しだ。

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