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牛代のみずめ桜 静岡県島田市家山の茶畑に凛と佇む一本桜

ピンク色ののぼり旗に「牛代のみずめ桜」と書かれ、満開の桜と茶畑に訪れた人々が春を楽しむ風景 桜浪漫

牛代のみずめ桜とは

静岡県島田市、のどかな茶畑の中に佇むエドヒガンの一本桜「牛代のみずめ桜」。
濃緑の茶畑に淡紅の花が映え、春の訪れを静かに告げます。茶どころ静岡を象徴するような風景で、県を代表する一本桜と言っても過言ではない美しさです。

牛代のみずめ桜の基本情報

項目
内容
名称
牛代(うしんしろ)のみずめ桜(水目桜)
※塩本(しおもと)牛代の江戸彼岸
桜の種類
エドヒガン
樹齢
約300年/樹高20m、幹周4.23m
オススメ度(5段階)
★★★★
一言
桜の間近はもちろん、近くの斜面から見下ろすこともでき、早朝の靄がかった中に差す光で照らされる姿が人気。
※個人所有の桜
例年の見頃
3月下旬~4月初旬
撮影日
2019年3月31日
2025年4月5日
所在地
静岡県島田市川根町家山3575(塩本地区)
アクセス
新東名 島田金谷ICより約25分
大井川鐵道 大井川本線 家山駅より
車で約15分(徒歩約60分)
駐車場/トイレ
駐車場無・トイレ無
※誘導員が道路脇への駐車案内をしている。
その他
ライトアップ有
参考URL
 島田市観光協会

茶畑の緑に陽ざしを浴びた薄紅色の花が映える。

桜の近くから見るのもよし、道路を挟んだ反対側の斜面から見下ろすように眺めるのもよし。色々な顔が楽しめる一本桜です。

こちらは、この桜定番の斜面から見下ろす姿。
道路から数分登る程度ですが、道が細いのと雨上がりでぬかるんでいたりすると気を付ける必要があり、ヒールの高い靴は危ないです。

持ち主の方からと思われる手書きのメッセージ。
訪問者からすると、桜を見させていただいて有難いと思っていますが、このように歓迎してくださるメッセージを見ると、春の暖かさもそうですが、心も温まる。

名前の由来の謎

牛代のみずめ桜」と呼ばれていますが、近くの平成19年(2007年)7月1日指定、島田市天然記念物の看板には「塩本牛代の江戸彼岸(通称:水目桜)」と書かれています。

そして、その横の平成20年(2008年)川根町巨樹の会認定木の看板には「牛代のみづめ桜」と書かれています。

「塩本」地区の「牛代」という地名わかるのですが、どうして「みずめ」「みづめ」「水目」なんでしょうね?


そもそも「水目桜」というと、カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹で、別名「梓」とも呼ばれている桜とは全く関係のない樹木。


兵庫県養父市大屋町糸原、御祓山(みはらいさん)の山中に咲くエドヒガンに「糸原のみづめ桜」という似たような名称の桜があります。

こちらの由来は、「其の昔、御祓山の中腹に武衛門と云う人が畑を開いていました。畑の上に古木エドヒガン桜有り。武衛門はその桜をみつめながら仕事に励み、桜は武衛門の仕事ぶりをみつめ年を重ねました。武衛門亡き後、誰云うことなく”ブエン畑のみづめ桜”と云うようになったとか?」と現地の看板には記載してありました。


「見つめる」がキーワードなのかなと、色々と調べても結局わからなかったので、静岡県島田市の観光協会に電話で尋ねてみましたが、そちらでもわからないので所有者の方に聞いてみて判明したらホームページに掲載しますとのことでした。

春の特等席

春の日差しがやわらかく茶畑を包み、緑の丘の上を、今日も犬と一緒に歩く。
この散歩道は、私にとって季節の変わり目を教えてくれる場所。

とくに春──満開の桜を見下ろすこの道からの眺めは、格別だ。

犬は鼻先で風を感じながら、先を小走りに進んでいく。
私は少し遅れて歩きながら、ふと立ち止まる。
眼下には、淡い桃色に染まった大きな桜の木と広がる茶畑。

この景色が見える場所は、私たちの“特等席”。

そういえば、初めてこの道を一緒に歩いたのは、あの犬がまだ子犬だった頃。
春の桜の花びらをじゃれて追いかけていた姿を思い出す。
なんだか懐かしい。

毎年、ここで花見をするのが、いつのまにか私たちの春の習慣になった。
今年も同じように、この景色を見られる幸せを噛みしめながら、私は犬の背中に優しく声をかけた。

「また来年も、ここで見ようね。」
犬は一瞬だけ立ち止まってこちらを振り返り私の顔を見た。

春風が桜の花を揺らし、ひとひら、足元に舞い落ちた。

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