近くを通りがかったついでに立ち寄りました。
残念ながら満開は過ぎてしまっていたので、茶色葉がだいぶ顔を覗かせていましたが、高原を眺めるように佇むその桜の存在感は優しい。
時折地元の方達が来ては写真を撮って楽しんでいたり、遠目から大山と桜を撮影しているカメラマンがいたりと、思い思いに楽しんでいる様子で、のどかで心地よい時間が過ごせる桜でした。




田住の一本桜
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 田住(たすみ)の一本桜 |
桜の種類 | ヤマザクラ |
樹齢 | 不明 |
オススメ度(5段階) | ★★★ |
一言 | パッチワークの田畑に佇む優しい存在感 |
例年の見頃 | 3月下旬 |
撮影日 | 2023年3月27 |
所在地 | 鳥取県西伯郡南部町田住 |
アクセス | 米子自動車道溝口IC/米子市内から車で15分 |
駐車場/トイレ | 駐車場無・トイレ無 |
その他 | 桜周辺の道路は狭く、時折農作業をしている方の車が通ります |
参考URL | https://tottorinanbu-kanko.jp/ |
小さな春の門出
春の高原に咲く一本桜のもと、私はカメラを構えていた。
少し風が吹いて、花びらが静かに舞い落ちる。そんな穏やかな時間のなか、遠くから子どもたちの笑い声が近づいてきた。
しばらく桜の木の下で賑やかにしていましたが、お母さんらしき女性が近づいてきて「シャッター、押していただけますか?」声をかけてくれた。
スマホを受け取り、家族の集合写真を撮る。
ふと視線を向けると、一人の女の子が真新しいランドセルを背負っていた。
「この春から一年生なんです」と、お母さんが少し照れながら微笑む。
女の子は、桜の木の下でランドセルを誇らしげに見せてくれた。
そこで私は、「よかったら、記念に桜とランドセルの姿を撮ってあげましょうか」
そう声をかけると、女性は「ぜひお願いします」と。
女の子にランドセルがよく見えるよう、いくつかポーズをとってもらい写真を撮る。
そのたびに、花のように輝く笑顔を見せてくれた。
そして撮影を終えると、お母さんは何度も「ありがとうございます」と頭を下げ、女の子は手を振ってくれた。
私はただ、あたたかい気持ちのまま深く息を吸い、空を見上げた。
満開を過ぎた田住の一本桜と、新しい季節を迎えた女の子の笑顔。
その景色は、今も私の胸の中にやさしく咲いている。
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