夜光虫とは?どこで見られる?実際に鎌倉・沼津で見た青く光る海

夜光虫、由比ヶ浜海岸の青く輝く海を撮影する人。 旅・風景

夜の海が、波に合わせて青く光る。
初めてそんな光景を見たのは、学生時代に偶然通りがかった神奈川県鎌倉市の腰越漁港でした。
光る波に合わせてシャラシャラシャラと音がしそうなその光景は、どこか夢の中の海を見ているようでした。

夜光虫
条件が合ったときにだけ見られるプランクトンの一種による自然現象で、毎日見られるものではなく、同じ場所に行けば必ず出会えるものでもありません。

私は、何度か神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜周辺や、静岡県沼津市の駿河湾沿いで、実際に青く光る海を見ることができました。

この記事では、夜光虫とはどのような現象なのか、どこで見られる可能性があるのか、そして実際に鎌倉・沼津で見た夜光虫の記録をもとに、見ることができる条件などをまとめています。

夜光虫とは?赤潮との関係、ウミホタルとの違い

夜光虫とは


名前に「虫」とありますが、一般的な昆虫の仲間ではありません。
海の中を漂っているプランクトンの一種で、大きさはとても小さく、ふだんは海水の中にまぎれているため、ひとつひとつをはっきり見ることはあまりありません。

夜光虫は、波や水の流れなどの刺激を受けると、青白く光ります。
そのため、夜の海で波が崩れたり、人が海水を動かしたりすると、その刺激に反応して光って見えます。

夜光虫と赤潮の関係

夜光虫は、条件がそろうと大量に発生することがあります。
初夏から夏にかけて(5月~10月にかけて)の水温が上昇する時期、潮の流れ、風、海の栄養分などの影響で、夜光虫が一か所に集まったり、大きく増えたりすることがあります。

このとき、昼間の海が赤っぽく、茶色っぽく、またはオレンジ色のように見えることがあり、これが、いわゆる赤潮です。

ただし、赤潮とは、特定の生き物の名前ではなく、プランクトンなどが大量に増えて、海水の色が変わる現象のことです。

なので、赤潮の原因は夜光虫だけとは限らず、ほかにもさまざまな種類のプランクトンが原因となります。大量発生の規模や海域の状態によっては、酸素不足などを通じて魚介類・漁業に影響を与える可能性があります。

反対に赤潮のような海でなくても夜光虫は存在し光ることもあります。

夜光虫とウミホタルの違い

夜光虫とよく混同されるものに、ウミホタルがあります。
どちらも海で青く光る生き物ですが、正体はまったく違います。

夜光虫は、海水の中を漂うプランクトンの一種です。
波や水の動きに反応して、一瞬青白く光ります。夜の海で「波そのものが青く光っている」ように見える場合、夜光虫が関係していることがあります。

一方、海ほたるは、3mmほどのエビやカニに近い甲殻類の仲間です。

光り方にも違いがあります。
夜光虫は、水の動きなどの刺激を受けたときに、自分の体の中で発光します。
ウミホタルは、びっくりしたときなどに体内の発光物質を外に出し、それが海水と混ざって青く光ります。

比較ヤコウチュウ(夜光虫)
ノクチルカ シンチランス
(Noctiluca scintillans)
ウミホタル(海蛍)
シー ファイアフライ
(sea-firefly)
正体プランクトンの一種甲殻類の仲間
大きさ約1mm前後約3mm前後
光るきっかけ波や水の動きなどの刺激驚いたとき、敵に襲われそうなときなど
見え方波や海水が青く光るように見える発光物質が海水中で青く光る
赤潮との関係大量発生すると赤潮になることがある赤潮の原因ではない

夜光虫はどこで見られる?

夜光虫は、海で見られる自然現象です。
条件が合えば日本各地の海岸で見られます。

過去には、熊本県天草市、神奈川県横浜市の大岡川河口付近、和歌山県由良町、大阪湾・神戸沖、鳥取県の山陰海岸、福井県の若狭和田海岸などで、夜光虫による発光現象がニュースなどで話題になったことがあります。

2026年は、静岡県沼津市の駿河湾や愛知県蒲郡市の三河湾、神奈川県の相模湾一帯(湘南海岸~鎌倉・逗子・葉山・三浦)で見られました。

私が実際に夜光虫を見た場所は、冒頭の腰越漁港もそうですが、神奈川県鎌倉市・由比ヶ浜周辺の相模湾沿いや静岡県沼津市・内浦の駿河湾沿いです。


岩場で見るのも良し、砂浜で見るのも良し。どちらも幻想的で神秘的な雰囲気がありました。
ただ、無風で凪いでいると刺激が加わらないので、場所によっては青く光らず黒い海のままな所もありました。

鎌倉・由比ヶ浜周辺で見た夜光虫

神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜周辺(材木座海岸・坂ノ下海岸含む)では、2017年5月6日、2026年5月26日、28日に見ることができました。

特に印象に残っているのは2017年に見た夜光虫です。
この時は、波打ち際だけでなく押し寄せてくる波も時折青く輝き、真っ黒ないつもの海の瞬間もあれば、広く青く光る海の瞬間もあり忘れられない光景でした。

2017年に鎌倉・由比ヶ浜で見た夜光虫の記事はこちら

夜光虫、由比ヶ浜海岸と青い海

2026年に再び鎌倉で見た夜光虫

2017年に鎌倉で夜光虫を見て以来、もう一度あの青く光る海を見たいとずっと思っていました。
そして2026年5月、鎌倉周辺で夜光虫が見られているという情報をきっかけに、再び由比ヶ浜周辺へ向かいました。

2017年に見たような強い青い波とはまた違い、少し淡く、静かで幻想的な雰囲気がありました。
というと、もっともらしいですがその実は霧で見えなかったりしました。。。

2026年に鎌倉・由比ヶ浜で見た夜光虫の記事はこちら

月明かりの下、鎌倉・由比ヶ浜の波打ち際に青く光る夜光虫

静岡県沼津市・内浦周辺の駿河湾で見た夜光虫

静岡県沼津市でも、駿河湾沿いで夜光虫を見ることができました。
Xで親切な方に赤潮が出ている具体的な場所を教えていただき、その周辺で青く光る場所を探し三津(みと)海水浴と長井崎(ながいさき)で見ることができました。
※場所によって海面はライトで照らすと真っ赤でしたが、刺激がなく青く光ってなかった

長井崎周辺は岩場で、ゴツゴツした岩が青く染まるのも幻想的でした。
それほど波がないので、たまに誰かが石を投げこんだり刺激を与えると青い水柱が立っていました。

2026年に静岡県沼津市・駿河湾で見た夜光虫の記事はこちら

静岡県沼津市の岩場に打ち寄せる波で青く輝く夜光虫

夜光虫を見るために確認したいこと

ニュースやSNSの目撃情報

夜光虫は自然現象なので、発生している時期や場所の情報がとても重要です。
ニュースやSNSでの赤潮の目撃情報や、夜になってからの夜光虫の発光情報、直近の目撃情報を確認しておくと参考になります。

特にX(旧ツイッター)は、リアルタイムで写真付きで投稿している方がいるので、「赤潮」「夜光虫」というキーワードで検索し、該当したら地名「由比ヶ浜」や「七里ヶ浜」、「逗子」「片瀬」「江の島」で検索をし「今」の情報を探していました。

ただ、中には今日現在のものではない写真を投稿している方もいるので、その点は注意が必要です。

また、投稿された時間から数時間後には赤潮や夜光虫の状況が変わってしまうこともあります。
「昨日見られたから今日も必ず見られる」とは限らないですし、2日中は濃い赤潮が見られていたので今晩もいけるかも?なんて思っていたら、陸から海に向かって吹く風(オフショア)が吹き始め、数時間であっという間に赤潮が散ってしまったこともありました。

そして、私が訪れた時は、日中の赤潮はとても濃かったので喜んで向かいましたが、現地についた時にはまさかの濃霧で視界が悪いということもありました。

ライブカメラ

海岸周辺のライブカメラがある場合は、現地の天候や波の様子、混雑状況を確認する参考になります。ただし、ライブカメラで夜光虫そのものが必ず見えるわけではありません。

カメラの画質や明るさ、設置場所によっては、実際には夜光虫が出ていても映らないことがあります。
ライブカメラは、あくまで現地の雰囲気を確認するための補助として使うのがよいと思います。

以下は、鎌倉周辺の海岸や海の様子を確認するときに参考になるライブカメラです。

■YouTubeライブカメラ
湘南 鵠沼〜新江ノ島水族館前
江の島ライブカメラ1 片瀬東浜海岸
七里ヶ浜
七里ヶ浜、江の島方面
材木座海岸
逗子海岸

夜光虫を見る時に気をつけたいこと

天候と足元の安全

夜光虫を見るのは基本的に夜の海なので、暗い海岸では足元が見えづらくなります。
岩場や護岸の近くでは、無理に海へ近づきすぎないよう注意してください。
特に雨のあとや風が強い日、波が高い日は危険です。

こういう時、スマホのライト以外に懐中電灯を用意すると良いです。

夜光虫を見たい気持ちがあっても、安全を最優先にすることが大切です。

騒音に注意する

夜の海岸周辺には、近隣に住んでいる方がいる場合もあります。
夜光虫が見られると、つい興奮して声を上げたくなることもありますが、夜間は静かに行動したいところです。住宅地に近い海岸では、話し声や車の音にも注意が必要です。

駐車場所や立ち入りに注意する

現地へ車で向かう場合は、駐車場所にも注意が必要です。
路上駐車や私有地への無断駐車は避け、必ず利用可能な駐車場を確認しましょう。
また、夜間の海岸や岸壁では、立ち入り禁止区域や危険な場所に入らないようにすることも大切です。

夜光虫は必ず見られるものではない

ここまで、鎌倉や沼津で見た夜光虫について紹介してきましたが、夜光虫は必ず見られるものではありません。

同じ場所に行っても、まったく見えない日もあります。
昨日は青く光っていたのに、さっきまで見えていたのに、今は見えないということもあります。

だからこそ、夜光虫を見に行くときは、「必ず見られる」と期待しすぎず、自然現象として向き合うのがよいと思います。

見られなかったとしても、夜の海を眺める時間そのものが、静かで特別なものになることもあります。

そしてもし、波打ち際が青く光る瞬間に出会えたなら。
それはきっと、興奮とともに忘れられない風景、記憶の1ページとなるはずです。

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