島根県益田市美都町の山あいに、樹齢約600年と伝わる一本桜があります。
その名は「金谷城山桜」。かつての山城跡に根を張るエドヒガンの巨木です。
金谷城山桜 基本情報
山里の丘に見えてきた一本桜

道沿いの案内板の向こう、山の斜面を見上げると、木々の間から淡い桜色がのぞいていて、遠くからでもその大きさがわかる一本桜です。

山の中腹には古い民家があり、そのさらに上に金谷城山桜が立っています。
この建物は朽ち始めているように見えますが、現在は人が住んでいないのでしょうか。
周囲の杉林や山里の風景とともに眺めると、丘の上に桜がぽつんと浮かび上がっているように見えました。山の主のような存在感がありますよね。

右手に上っていく細い道が駐車場へ向かう道。あちこちソメイヨシノも咲いていました。
車を停めてからは、歩いて桜を目指します。

のんびり遊歩道を進むと、坂の上に金谷城山桜が姿を現します。遠くから見えていた桜が、少しずつ大きくなってくるのに比例して胸も高鳴ります。駐車場から歩いて数分です。
入船山城跡に根を張る樹齢600年の巨桜

遊歩道の途中から見上げると、太い幹から四方に伸びる枝が目に入ります。
金谷城山桜は、推定樹齢約600年、根元周囲7.15m、樹高約15mというエドヒガンの巨木。

階段の先には、淡紅色の花をいっぱいに広げた桜。ここまで来ると、枝の広がりだけでなく、長い歳月を重ねた苔むした幹の姿もよくわかります。しばし目の前のベンチに座って桜を楽しみました。

この桜が立つのは、室町時代に澄川氏が築いた入船山城の出丸にあたると伝わる場所。澄川氏が金谷の地に移り住んだ際に植えられたとされています。
長い年月の間には雪害で大きな被害を受けたこともあり、樹木の治療や地域の人々による保護活動が続けられてきました。
山あいの集落から見上げる姿と、近くで見る力強い幹や枝ぶり。
遠くから眺めるだけではわからない、金谷城山桜のもう一つの姿です。
山奥を訪ねる価値があった一本桜です。



