薬師桜
山形県白鷹町の県道沿いの小さな薬師堂。そのすぐ隣に、幾本もの支柱に支えられながら花を咲かせる「薬師桜」があります。
樹高はそれほど高くありませんが、ねじれ、膨らみ、空洞を抱えた幹には、長い歳月を生きてきた古木ならではの迫力があります。華やかな一本桜というより、薬師堂とともに静かに時を重ねてきた桜でした。
薬師桜 基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
名称 | 薬師桜(やくしざくら) ※文化財指定名称:薬師ザクラ |
桜の種類 | エドヒガン |
| 推定樹齢 | 1,200年 |
オススメ度(5段階) | ★★★★ |
一言 | 坂上田村麻呂お手植え伝承の一本桜。 |
例年の見頃 | 4月中旬~4月下旬 |
撮影日 | 2022年4月下旬 |
所在地 | 山形県西置賜郡白鷹町高玉3663 |
アクセス | 東北中央道 南陽高畠ICから約35分 |
駐車場/トイレ | 駐車場有・トイレ無 ※釜の越農村公園からも徒歩5分 |
| その他 | ・ライトアップ:無 ・県指定天然記念物 |
参考URL | やまがたへの旅 |

小さな薬師堂と並ぶ姿を見ると、この桜だけが単独で保存されてきたのではなく、地域の信仰や暮らしの中で守られてきたことが伝わってきます。
こうやって見ると桜の木が薬師堂と寄り添っているようにも、守っているようにも見えてきますよね。

薬師堂の軒先へ覆いかぶさるように枝が伸びています。堂宇も桜も相当に年季が入っており、この角度から見ると、どちらがどちらを守っているのか、少し分からなくなるような風景でした。

反対側から見ると、幹を囲むように立てられた支柱の多さがよく分かります。若々しい一本桜のような勢いはありませんが、傷んだ部分を抱えながら花を咲かせる姿には、千年桜と呼ばれる古木らしい風格があります。
満開の華やかさだけで語る桜ではありません。小さな薬師堂と老桜が寄り添う風景には、ここでしか味わえない静かな時間が流れていました。
薬師堂と瑞龍院
この小さな薬師堂は、北へ約1km離れた曹洞宗・瑞龍院の管轄で、薬師桜も同院が所有しています。
瑞龍院は享徳2年(1453)、伊達持宗を開基として創建されたと伝わる古刹です。物外禅師を開山に迎え、文明17年(1485)には朝廷の勅願所に列しました。最盛期には多くの末寺を擁し、置賜地方における曹洞宗布教の拠点の一つだったとされています。
薬師桜もまた、瑞龍院と地域の人々によって古くから大切に守られてきた桜です。

