子守堂の桜
山形県白鷹町の高台に立つ「子守堂の桜」は、推定樹齢約1,020年とされるエドヒガンです。
鮎貝城跡の一角にあり、病弱だった城主の姫と、姫を元気に育てた童女にまつわる伝説が残されています。
観光客で混雑する華やかな桜名所とは少し趣が異なり、古木のそばで静かな時間を過ごせる場所です。千年を超える歳月を重ねた桜の割には樹勢も元気で幹の太さに目が行きます。
強烈な印象を残すタイプの桜ではありませんが、力強く今も花を咲かせている姿をのんびり眺めていると、自然と穏やかな気持ちになれました。

子守堂の桜 基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
名称 | 子守堂の桜(こもりどうのさくら) ※文化財指定名称:子守堂のサクラ |
桜の種類 | エドヒガン |
| 推定樹齢 | 1,020年 |
オススメ度(5段階) | ★★★★ |
一言 | 高台から街を見守る一本桜。 |
例年の見頃 | 4月中旬~4月下旬 |
撮影日 | 初回訪問 2012年5月上旬 最新訪問 2022年4月下旬 |
所在地 | 山形県白鷹町鮎貝桜舘3347番 |
アクセス | 東北中央道 ・南陽高畠ICから約40分 ・山形上山ICから約45分 フラワー長井線四季の郷駅より 徒歩約10分 |
駐車場/トイレ | 駐車場有 ※「こぶしの家」が桜期間の臨時駐車場トイレ無 |
| その他 | ・ライトアップ:無 ・県指定天然記念物 ・個人所有の桜です。マナーを守って鑑賞しましょう。 |
参考URL | 白鷹町観光協会 |
斜面に根を張る堂々とした古木

子守堂の桜は、鮎貝八幡宮の西側から相応院へ向かう、細い上り坂の途中にあります。
近くから見上げると、まず目に入るのが堂々とした幹。表面には深い凹凸が刻まれ、途中から分かれた大枝が幾方向にも伸びています。
長い年月を重ねた木には、花の美しさだけでは語れない魅力があります。この桜も、華やかな枝先より、むしろ幹の重量感に惹かれる一本です。

斜面の下へ視線を移すと、鮎貝の町並みが広がっています。公園の中央に植えられた観賞用の一本桜とは違い、地域の暮らしを高台から見守ってきたような佇まいです。

この写真は2012年5月上旬に撮影したものです。
2022年には、スイセンの黄色と桜の淡い色が重なり、斜面全体がやわらかな春景色になっていました。
写真はいずれも満開を過ぎた時期ですが、こうして見比べると、2022年に撮影した方が樹勢はよいようにも見えます。
どなぜか、どちらも満開を過ぎているところは共通していますが。(笑)
子守堂の名に残る童女の伝説
この桜のそばには、「子守堂」と呼ばれる小さな祠があります。その名は、鮎貝を治めていた本庄家に伝わる物語と結びついています。
本庄家三代・義長の子どもたちは相次いで早世し、最後に残った三女の以津子姫も病弱だったと伝えられています。
ある日、屋敷を訪ねてきた一人の童女が、姫の世話を申し出ました。その子を子守にすると、以津子姫は見違えるように丈夫に育っていきます。
喜んだ城主が褒美を与えようとしたところ、少女は忽然と姿を消しました。人々が捜し回ると、木の根元には履いていた草履だけが残されていたそうです。
本庄家では、姫を救ったのは人の姿を借りた仏だったのではないかと考え、籠守大明神を勧請して祠を建てました。白鷹町の文化財案内では、地蔵菩薩の化身だったとも紹介されています。
地元では親しみを込めて、「こんもり様のさくら」とも呼ばれてきました。



